横浜不動産鑑定 不動産鑑定士 守田 実
トップページ > 株式会社 横浜不動産鑑定/守田 実(もりた みのる)
◆ 自己紹介
父が公務員をしていた影響からか、生真面目な性格を受け継いでいます。私の生真面目は、頑固さ(独りよがり)にも繋がっているのですが、最近は、自分では少し柔らかくなったように感じています。父が生前、口癖のように言っていた「お前の考えを広く社会に求めなさい」いう言葉をよく思い出します。当時は子供でしたから、その意味は良くわかりませんでした。「独りよがりにならず、社会の本当の求めに応じて一隅を照らすような生き方をしなさい」という意味ではなかったかと今では自分なりに解釈しています。
私は今、不動産鑑定士という職業にあって、その仕事の意義について考えるとき、まだまだ世の中の求めに応じていない、小さな自己満足に過ぎない仕事しかしていないのではないかと思うのです。
社会の潜在的な需要、社会の本当の求めに応ずるべく、仕事の意義を謙虚に広く社会に求めてゆきたいと思うところです。
そのような考えのもと、 この“鑑定士リスト”の運営もさせていただいております。多くの鑑定士の生きた情報を開示することにより、不動産鑑定士の本当の存在意義を広く社会に求めていきたいという願いを託しています。
◆不動産鑑定士になろうと思ったきっかけ
バブル経済が崩壊した平成4年当時、私は住宅会社の冴えない営業マンでした。ある時、宅地開発事業部という部署で不動産鑑定評価書を見たのが不動産鑑定士になる一歩となりました。担当部署の人に訊ねると、「不動産鑑定士が鑑定評価理論に基づいて作成した報告書で、適正な価格を求める判断材料として利用価値がある」とのことでした。私は「鑑定評価理論」とか「適正な価格」という言葉に惹かれました。ご存知のとおり、バブル期、土地の価格は異様に高騰しました。サラリーマンがどう頑張っても住宅を買えないまでに地価は上昇したのです。「一億総バブル時代」などという言葉がはやりましたが、本当に利益を得た人は、ほんの一握りに過ぎませんでした。
住宅地の価格は、平均的な年収のサラリーマンが生涯年俸の中で支払うことのできる程度の価格が妥当であり、それを大きく超過する価格はまさにバブルに過ぎないのではないか。あるべき価格としての「適正価格」とは、どのようにして導き出すのだろうか。
土地価格が乱高下し、経済が混迷をきわめるさなかで突き当たったその疑問を解明するべく、私は不動産鑑定士を目指すための一歩を踏み出しました。
◆不動産鑑定士という仕事へのこだわり
不動産鑑定士は不動産の専門家としての役割を果たすことが必要だと思います。不動産の専門家というのは、不動産の「価格」に関する専門家にとどまらず、不動産取引や投資に関するコンサルティング業務など多岐に亘る業務であると考えるのです。そのため会社設立当初から、「不動産鑑定士の能力をもっと幅広い分野で役立てたい」と願い続けてきたと同時に、不動産鑑定士に対する一般個人の需要を開拓し、私たちの存在意義が社会のあらゆる層に広く浸透していくことを目指して、新しいサービスの在り方を模索してまいりました。
特にこだわって取り組んできたのが、個人の方に対する住宅購入等に際してのコンサルティング業務です。
個人の方が不動産売買の当事者になることは殆どありませんから、不動産の知識については希薄であることが多いですね。それに対して、第三者の立場でアドバイスする専門家は見あたらないのが現実です。不動産業者は不動産の売買に絡んで情報提供をしますが、結局、それは「ひも付きの」情報であって、客観的なコンサルティングには遠く及ばないと思うのです。
不動産鑑定士という専門家としての立場を基礎として広く個人の方を対象とする業務の拡大が、今後の不動産鑑定士の方向性のひとつであると思うのです。
地道な積み重ねではありますが、これからもこの業務は充実・拡大を図っていきたいと思っています。
◆現在の業界の動向や不動産鑑定士を取り巻く環境において感じていること、変えていきたいことなど
不動産鑑定士の知名度が頗る低いという問題を、日ごろから感じています。 今まで不動産鑑定士の仕事は、公的機関から依頼される業務が主であったため、不動産鑑定士の存在を世間に対して宣伝する必要は全くなかったのです。不動産鑑定士という職業や仕事内容が、一般の人々にとって馴染みが薄い原因は、不動産鑑定士自身がそういう土壌を作ってきたことが原因なのです。
その流れは、私が鑑定業界に入るずっと以前から変わっていません。
もちろん、公的機関から依頼される仕事も重要ですが、これからはもっと広い視点に立ち、改めて「一般の人々」「社会全般」に目を向け、私たちの存在を明確にアピールすると共に、個々の需要に対応できる柔軟な感性を養っていく必要があると思います。
世間全般の個人層は、はるかなすそ野のように広がっていて、そこにはきっと、私たち不動産鑑定士に対する無限大の需要が眠っているような気がします。そのひとつひとつの需要を丁寧に掘り起こし、ひとりひとりにご満足して頂けるサービスを提供していきたいものです。
そんな地道で小さな実績をこつこつと積み重ねていくことにより、いつの日か、不動産鑑定士の存在が社会の中でスタンダードの地位を確立し、誰にとっても身近で、自然で、当たり前な存在として認識される時代が到来することを願っています。
◆不動産鑑定評価において得意な分野
当社の最大の特徴は、不動産鑑定士と一級建築士が協同して不動産鑑定評価書を作成することにあります。不動産鑑定士は土地についての知識は豊富ですが、建物の品質、技術、構造等に関する詳細な知識は、相対的に希薄であると言えるでしょう。そのため一級建築士と協同して鑑定評価を行うことにより、その点を補うことができるため、精度の高い不動産鑑定評価書の作成が可能となると思います。
また、不動産鑑定評価だけではなく、不動産鑑定士と一級建築士のコラボレーションにより、私どもでは、個人の方が住宅を購入される場合において、その販売価格が妥当な水準にあるのかどうかという価格調査や一級建築士による建物の施工監理等の検査業務も行っています。
これらの業務に対するご依頼は、住宅に関する個々の意識が高まる中、年々増加傾向にあり、マンションや戸建住宅ご購入時のコンサルタント実績は数多く重ねてまいりました。
多くの方にとって不動産購入は、生涯の中で数多くあることではありません。不安や心配ごとを一掃し、ご納得してマイホームの購入をご決断できますよう、不動産鑑定士と一級建築士協同でご提供するこのコンサルタントサービスには、私どもも自信を持って取り組んでいます。
◆不動産鑑定と簡易鑑定の違いについて
不動産鑑定(フォーマルな鑑定評価)と簡易鑑定(インフォーマルな鑑定評価)との違いについてはよくご質問を受けます。 簡単に言えば、不動産鑑定評価書は公的機関に通用するフォーマルな不動産の評価書、簡易鑑定書は非公式な不動産の評価書とご理解頂きたいと思います。
不動産鑑定士の多くは自分の仕事に完成度を求めますから、依頼物件についてはすべてフォーマルな鑑定評価書でやりたいのが本音です。けれど、フォーマルな鑑定評価書には高い精度が要求されるため、作業量が増え、時間もかかり報酬額も一般に高いものとなります。
そこで、簡便ではあっても、時間と費用を節約したいとの需要者の要望から自然発生的にできたのが簡易評価書です。 簡易評価書といっても、調査する内容については鑑定評価書とそう多くは変わりませんし、簡易だからといって、その評価に関して責任を持たないというものではありません。 簡易ではあるけれど、不動産の専門家である不動産鑑定士に客観的に査定させるという意味で、有用な資料となるでしょう。
しかし、なんでもかんでも簡易評価書で良いというわけではありません。
例えば公的機関(税務署、裁判所等)に提出する評価書は簡易鑑定では通用しません。社長個人の財産を会社に移転する場合、贈与、交換、現物出資の証明、相続税額の時価評価、遺産分割、同属会社間売買、係争に関する評価についても、簡易鑑定は馴染まないと考えた方が宜しいと思います。 簡易鑑定は、あくまでも何かの参考にする程度の意味合いでご依頼頂きたいと思います。
不動産鑑定評価書でなければいけないのか、簡易評価でもよいのか、という判断は一般の方には難しいと思いますので、事前にご相談を頂ければ、適切にアドバイスさせて頂きたいと思います。
◆その他
不動産を売る側と買う側の物件に対する情報量の差こそが、不動産市場の不透明さを作り出している原因だと思います。売主はその不動産に関して多くの情報を持っていますが、買主、特に住宅を購入する一般のエンドユーザーには、売主から提供される情報しかありません。
驚くのは、建売住宅を買う場合などで、契約までチラシ一枚しか資料が無いようなケース。
売主はもっともっと情報を開示するべきです。
土地履歴情報。地質検査(一般的にはスエーデン式のサウンディング調査の結果と業者コメント)の情報開示。建物建築時においては、基礎の配筋検査の結果、コンクリートのテストピースの保存、その他、各工程での検査状況、写真や動画、図面一式をいつも備え付けておいて、購入希望者には誰でも閲覧できるシステム。
情報を開示することは需要者である買主に安心感を与えます。 安心感を持った買主は契約までスムーズです。あらゆる情報を開示し、売主と買主がその不動産に関して情報を共有することは、買主だけではなく、供給者である売主にとっても利益をもたらすのです。
最近では、大手マンションデベロッパーが建設途中のマンションの現場見学会を催すようになり、それがテレビコマーシャルで流され、反響を呼んでいます。生の現場見学を通して、買主に安心感と信頼感を与えるような情報開示は今後、益々進展してゆくことと思います。
住宅の需要者である皆さんも、情報や資料の開示についてもっと積極的になって欲しいと思います。あなたが変わらなければ、供給者である売主は変わらないのです。
◆趣味や日ごろの楽しみ
温泉に行くのが今の最大の楽しみですね。泊りがけではなくて、日帰り温泉が主です。休日、早く起きて丹沢や箱根、伊豆方面の鄙びた温泉地に行きます。他に誰もいない浴槽にゆっくりと体を沈め文庫本を読みます。木漏れ日の射す露天風呂で本を読んでいると平日の疲れがとけてゆくようです。
小さい頃、本を読んで積み上げた高さだけ、人は豊かに成長すると言われたことがあり、読書は昔から好きでした。今でも本は良く買う方ですが、最近は忙しく、積読(つんどく)で終わってしまうことが多いですね。
好きな作家は山崎豊子さんで、その中でも、綿密な取材を重ねて作られた作品が好きです。そのプロセスは、不動産鑑定評価に似ているような気がします。
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